INTERPRETATION

第344回 「失敗に終わる」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

go down the tube 失敗に終わる
Due to their miscalculation of their sales plan, the project went down the tube.  (販売計画の誤算によって、プロジェクトは失敗に終わりました。)

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本稿でご紹介する例文、私としてはなるべく「読んで元気になる表現」をご紹介したいなあといつも思っています。が、なぜか英語表現にはこうしたネガティブなフレーズが少なくありません。ということで、今回もそのようなタイプの一文です。

「失敗に終わる」を英語でgo down the tubeと言います。tubeは「排水パイプ」のこと、go downは「流れる」ですよね。一節によるとこのフレーズが誕生したのは1930年代頃。いらなくなったものを排水パイプに流すことから生まれたとされています。

さて、なぜ今回このtubeを取り上げたかと言いますと、きっかけは「記念日」。私は記念日を調べるのが大好き。本稿がアップされる5月23日は「日本で初めて地下鉄が開通した日」、1915年でした。「地下鉄」と言えばイギリス英語ではTubeと言います。そこからヒントを得たのでした。

なお、排水溝関連でもう一つ思い出しました。最近、航空機内のお手洗いに異物が流される事態が問題視されています。おむつ、リップクリーム、ブランケットから何と銃弾まで混入したことも!詰まって使用不能になり、出発から数時間後に離陸空港へ引き返さざるを得なかったケースもあったそうです。これこそ My planned trip went down the tube because the plane had to return to the original airportですよね!

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者、獨協大学および通訳スクール講師。上智大学卒業。ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2024年米大統領選では大統領討論会、トランプ氏勝利宣言、ハリス氏敗北宣言、トランプ大統領就任式などの同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラム執筆にも従事。

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