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自分の想いを伝えていますか?

ぺこたん

通訳・翻訳者リレーブログ

先日、仕事場で知り合ったとても素敵な方が、亡くなられました。54歳という若さでした。アーティストを交えての楽しい食事会、細やかな気遣い・温かな心。色々な場面が思い出されます。訃報を聞いた時、“あの人に限って、なぜ?”…と、どうしても現実とは思えず。

10年ほど前になりますが、大好きなミュージシャンが、自らの命を絶ちました。こころ病んでいた上に、色々なことが重なった末のこと…と聞きます。知的で口数が少なく、繊細で芸術家肌で、とてもハンサムな人。来日時には、京都・竜安寺の石庭が気に入り、しばらく座り込み、じっと見入っていた彼。あの瞬間、何を感じていたのでしょう。“大仏も見たい”ということで、日を改め、鎌倉へも足を運んだのですが、その前に、海を眺めていたりしている内に、拝観時間が過ぎてしまい、中へは入れず。とても悔やまれます。

こういう時、巡り合った大切な人を失った時、真っ先に思うのは、その人は愛に溢れた人生を送れたか。楽しい思い出を一杯もって行けたか。自分の想いを周囲の人々に伝えられていたか。そうして、そうして、周囲の人は、その人に、自分の想いをちゃんと伝えていたか…。
“一緒に仕事ができて嬉しい”“素敵な作品に感激している”“いつもどうもありがとう”。その時々の、そういう想い……。
彼等に、私の気持ち、ちゃんと伝わっていたかな…と。

入社まもない頃、某有名女性ヴォーカリストの取材をしました。が、特に思い入れのあるアーティストでもなく、でも他に担当する者もいなく…で、引き受けたのですが、案の定、こころ此処に在らず…で。酷い話ですが。そうしたら、取材終了後、担当ディレクターに呼び出され、しっかり説教されました。いわく:“もう2度とは会えない相手かも知れないのだから、そういう思いで、相手と全身全霊、接しなければ駄目。一瞬一瞬を大切にして欲しい”…と。この人、たまたま会社の元上司だったこともあり、いま思うと親心、とても愛のこもった、ありがたいお言葉だったのですが。でも、オールナイトで呑めや歌えや、で朝、そのまま会社へ直行…という、ブラボーでガサツな日々を送っていた、当時の私には、プロ意識も心遣いも、まだまだ根づいていなく…で。あぁ、もう散々でした。

話変わって、しばらく前から某TV-CMで流れているBGM。80年代に大ヒットした曲&アーティストで、聴くたび、あの時代のことが無性に懐かしくなり、当時の担当ディレクターに、物凄く久しぶりに連絡したところ、“何人かに、同じこと言われてるよ。嬉しいね。じゃあ、みんなで集まって、昔話で盛り上がろうか”…ということになり、先日さっそく、そのアーティストらしい(?)バリバリ・アメリカンな店で、食事会をやりました。集まったメンツは、その元担当者+当時ライバル誌で活躍していた元編集部員達。互いの名も顔も知ってはいるのですが、でもあまり仲良くはないわけですよ。でも現在はフリーになったり、別会社へ移ったり…で、立場が変わり、で、とても和やかな雰囲気の中、昔話に大いに盛り上がりました。いやぁ、ほんと、幸せなひと時をありがとうございます。またやりましょ!

先日、ある偉大なるゴスペル・シンガーに、電話インタビューする幸運に恵まれました。マーティン・ルーサー・キング牧師の公民権運動を、歌で支え続けた女性なのですが、詩を朗読しているような、あまりに素敵な話し方&内容に、うっとり聞き惚れてしまい、当初組まれていた時間内で、聞きたいことの半分しか聞けず、で、そのことを伝え、“もし可能なら、後日この続きをやらせて頂けないか…”とお願いしたところ、“是非そうしましょう!”とご快諾くださり、その優しいお言葉に甘えてしまいました。実は、南米のアメリカンスクール時代、米国史の授業で、公民権運動・当時のことは、しつこいほど教わりましたし、その後、親戚がジョージア州アトランタに住んでいた関係で、キング牧師記念館&生家を訪ねたことも。そういうわけで、あの時代に対し、私なりに深い思い入れを持っているのです。魅力的なシンガーである上に、あの時代を生きてこられた方ですからね! それはもう、鳥肌の立つようなインタビューと相成りました。とても素敵な縁、とても素敵な出会いに、心からの感謝…です。

と、そんなこんなで、ほんと、日々の生活の中で、人との出会い、人との縁の妙を感じずにはいられません。出会いこそは、人生最大の宝だとさえ感じます。だって、素敵な人との出会いほど、こころ踊るものはないですもん。考えてみれば、これだけの人が存在するこの広い地球上で、その人と巡り合えたわけですから。それはもう、奇跡としか言いようがありませんよね。物凄いことです。

ですから日々、人との出会いを大切にしていこう、そうしてその相手に、自分の想いを、言葉で、態度で、ちゃんと伝えていこう…と思うのです。文章にすると、エラくクサくて嫌なのですが。でもこれ、私が今、心から思うこと。

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記事を書いた人

ぺこたん

高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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