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ブラジル訪問記 その2

背番号8

通訳・翻訳者リレーブログ

翌日からガイドに連れられてちょっとそこらを歩くといるわいるわ、極彩色の鳥のコロニーやら猿が鈴なりになっている木やらさりげなく通り過ぎるアリクイやらカピバラやら360℃サファリパーク状態。「パンタナールだけで418種の動物、934種の野鳥、450種の淡水魚が棲むといわれる」そうです(brazilonboard.com)。なんせこのパンタナール、面積にして日本の国土の2倍ですから。そしてその日本国土2倍の大湿原を地図も無しに縦横無尽に歩くガイド、おそるべし。きっと視力も3.0くらいあるに違いない。「あそこに鳥がいる!」…葉っぱしか見えないんですけど。「一羽はメスだねえ」。ええいアンタはロボコップか?!

数日経つと皆どんどん黒くなってきて格好も構わなくなってきて(動物相手に化粧しても仕方ない)ワニにも「はいはいちょっとごめんよ」とどいてもらって(すごくイヤそうな顔をする)口をゆすぐくらいの慣れは出てきたものの、この環境にはなかなか適応できず苦戦。他の参加者(私を除く全員が欧米人)は結構あっさり慣れているのを見て感嘆。私だけ繊細すぎるのだろうかと思ったらある朝全員ダニーちゃんにやられていたものの(寝袋に潜んでいたらしい)なぜか私だけ無傷。いや全然丈夫らしいぞ..。

暑い日にみんなで古タイヤを川に浮かべて流されて遊んでいたところ(←昭和初期の子供的遊び)、ガイドが「よし!今日はピラニアを釣ろう!」。おお、さすがブラジル、ピラニアがいるのね。「どこで?」と聞くとにこにことこの川を指差す。いや今そこみんなで入ってたし。半信半疑でエサの小魚をつけた簡易釣り針をたらした瞬間”びちびちびち!”とすんごい勢いで釣れました、ピラニア。またもや「お腹空いている時しか人間襲わないから大丈夫!」とガイドは断言するものの、いや今すごくお腹空いてるみたいですが。

結構あっという間の一週間、ウソです、かなり長い長い一週間でしたが、良くも悪くも強烈な思い出を残しました。あの広大な自然も乱伐や乱獲等の対象になっているらしく生態系への影響が危惧されています。最後の「どうかこの事実をあなたの国でも他の人達に伝えて下さい。できることから手を貸して下さい」とのガイドの言葉が印象的でした。ある晩四方真っ暗の中迷いもせずすたすた歩くガイドに付いて(ナイトビジョンも装備済みに違いない)川べりを歩くと今まで見たこともないくらい一面の蛍!淡いグリーンの光に全身包まれながらあまりの非日常的かつ幻想的な光景に全員言葉を失って立ち尽くしたことを思い出します。ああいう自然を守らなくては行けないなあと思いつつ今日もエアコンつけっぱなし…地球に優しくなくてすいません。

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記事を書いた人

背番号8

イギリスに長期留学後、インハウス通訳者として数社に勤務。現在は、フリーランス通翻訳者として活躍中。若手通訳有望株の一人!

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