INTERPRETATION

第85回 「うのみにしない」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

take … with a grain of salt うのみにしない

As always, such surveys should be taken with a grain of salt.

いつも通り、そういった調査はうのみにしないことですよね。

 今回ご紹介する表現はtake … with a grain of saltで、「うのみにしない」という意味です。人の話を「話半分に聞く、差し引いて聞く」という状況を表します。

 

 私がこのフレーズに出会ったのは昨年秋のこと。The Wall Street Journal (WSJ)の記事に掲載されていたのでした。私は気になる表現に出会うと記事ごと切り抜いたり、ノートに書き写したり、あるいは紙の辞書を引いて該当項目に下線を引いたりしています。未知の単語やフレーズとの出会いは本当に嬉しく、何らかの形でその痕跡を残しておきたいと思うのですね。

 さて、a grain of saltは「ひとつまみの塩」という意味ですが、もともとこの表現が誕生したのは古代ローマの博物学者・大プリニウスの記した「博物誌」においてだそうです。解毒剤として塩を用いたのを機に、毒による脅威はいずれも「塩と共に摂る」ようになりました。それから「疑いを持って」という意味へと発展したのです。

 

 ところで私が出講する大学にはThe Wall Street Journalがラックに置かれています。おそらく販売促進の一環なのでしょう。無料で配布されています。店頭で購入すればお金がかかりますので、ぜひとも若い学生さんたちには読んでいただきたいです。私にとってWSJの魅力は何と言っても各記事の見出し!頭韻を踏んだり言葉遊びをしたりと、記者たちの工夫が実に見ごたえ大です。

Written by

記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学・順天堂大学非常勤講師。 上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。 ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。 ESAC(イーザック)英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。

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