INTERPRETATION

第86回 「出たとこ勝負でいく」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

take potluck 出たとこ勝負でいく

I took potluck at the station and I got on the first train.

駅で出たとこ勝負でいって最初の電車に乗りました。

 「出たとこ勝負でいく」は英語でtake potluckと言います。potluckと言えば日本語の「ポットラック・パーティー」でおなじみですよね。potluckとは「ありあわせの料理」「持ち寄り食事会」のことで、take potluckは「ありあわせの料理で食事をする」という意味です。potluckには料理以外にも「偶然(のチャンス)」「そのとき出されたもの」という語義があります。

 上記の例文は、「とにかく駅まで行くだけ行って、最初に来た電車に乗った」という状況を表しています。乗った後どうなるかはわからないものの、とにかく乗り込んだという様子が分かります。

ところで日本では「食べ放題」が流行していますよね。これは英語でall you can eatと表現します。日本語の場合「バイキング料理」という言葉もありますが、こちらは和製英語です。英語の場合はsmorgasbordとなります。smorgasbordはスウェーデン語で、smorgasはパンとバター、bordはテーブルを表します。

 今回この原稿を書くにあたって研究社「リーダーズ英和辞典」の紙版を参照したのですが、smorgasbordの上にはs’moreという単語がありました。これは「スモア」というデザートで、キャンプファイアで焼いたマシュマロと板チョコをクラッカーではさんだものだそうです。語源はsome moreからだとか。紙辞書の寄り道でおいしい経験ができました!

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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