INTERPRETATION

第295回 「~を危険にさらす」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

put … on the line (~を危険にさらす)
The new fiscal policy might put the US economy on the line. (その新しい財政政策は、アメリカ経済を危険にさらすかもしれません。)

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「~を危険にさらす」を英語でput … on the lineと言います。on the line自体は「すぐに使える」「電話に出て」「境界線上に」「危険にさらされて」などの意味があり、語源も17世紀あるいは1940年代と諸説あるようです。多様な語義があるため、文脈の中で意味をとらえる必要があります。同時通訳の際、こうした表現が出てくると神経を使うのですよね。

ところで上記の慣用句は、アメリカの債務上限関連のニュースで出てきました。アメリカは債務の問題を長きにわたって抱えています。上限を引き上げなければデフォルトのリスクが生じてしまい、国民の生活にも影響があることから、CNNの扱いも大きいものです。私自身、こうした金融や財務のニュースが出てくるたびに、さらなる勉強に迫られています。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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