INTERPRETATION

第296回 「ゼロ見込み」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

a snowball’s chance in hell (ゼロ見込み)
She realized that there isn’t a snowball’s chance in hell of getting a reply so she made a different choice. (返事が来るのがゼロ見込みと気づいた彼女は、別の選択をしました。)

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「ゼロ見込み、全く可能性がない」を英語でa snowball’s chance in hellと言い、否定文で使われる傾向があります。語源は、「地獄(hell)の灼熱の中に雪玉(snowball)を投げてもすぐに解けてしまい、原形をとどめる可能性(chance)がない様子」を表します。興味深いですよね。

私がこの表現を初めて耳にしたのはCNNのスポーツニュース。通常のニュースと異なり、スポーツは試合の結果や選手インタビューなど明るめの話題が多く、キャスターたちもフランクな表現を駆使。よって、英語フレーズの宝庫です。私自身、スポーツニュースではいつもより明るめの声を出すようにしています。

ところで「雪だるま」はsnowmanですが、最近では人権に配慮しているようです。数年前、米軍放送AFNで”snow figure”という語を耳にしました。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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