INTERPRETATION

第24回 通訳マインド

寺田 真理子

マリコがゆく

社内通訳だと、基本的に毎日通訳の機会がありますよね。でも、フリーランスだと、仕事のとり方にもよりますが、通訳をしない時期が続く場合もあります。わたしの場合は、本の翻訳にかかると、家にこもりっきりになる時期もあります。そう、「マリコがこもる」状態になってしまうのです!

いくら通訳力を落とさないようにあれこれ勉強を続けても、やっぱり実戦に勝るものはないと思うのです。実際のお仕事で戦って・・・もとい、通訳していないと、心配になることがあります。

「腕が落ちちゃったかも?」
そんな心配もありますが、それよりももっと心配になること・・・。それが通訳マインドです。

通訳って、人前で即興芝居をやるようなものだと思うんです。(ブースだったら、姿は出さないですみますが・・・。)自分が話をするわけではないですが、その場ではじめて聞いたものをとっさにほかの言葉に変換するわけですから。下手をすると大恥をかく可能性もある、ハイリスクなお仕事です。役者が舞台に立つのにマインドが必要なように、通訳が仕事に臨むのにも通訳マインドが必要なんです。

通訳デビューしたての頃だと、1対1のミーティングの通訳でも、緊張してしまうものですよね。それが経験を積んでいって、4、5人くらいはそんなに緊張せずに出来るようになって。徐々に30人くらいまでになり。100人、そしてもっと・・・となっていくわけです。

いつも規模の大きなミーティングをやっていれば、30人くらいのミーティングでも「なれたもの」です。でも、ブランクがあったり、小規模のミーティングばかり続いていたりすると、30人は「こわい規模」になってしまいます。そこに出て行くだけの心構え、通訳マインドをちゃんと保っていないといけないんですよね。

すきあらば、「ノーメイク、寝癖、メガネのパジャマ姿」で部屋に引きこもろうとする・・・。そんなわたしが通訳マインドを保つのは、かなり試練の道なのです。

Written by

記事を書いた人

寺田 真理子

日本読書療法学会会長
パーソンセンタードケア研究会講師
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー

長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。
多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演、執筆、翻訳活動。
出版翻訳家として認知症ケアの分野を中心に英語の専門書を多数出版するほか、スペイン語では絵本と小説も手がけている。日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。
ブログ:https://ameblo.jp/teradamariko/


『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア入門』(Bricolage)
『介護職のための実践!パーソンセンタードケア~認知症ケアの参考書』(筒井書房)
『リーダーのためのパーソンセンタードケア~認知症介護のチームづくり』(CLC)
『私の声が聞こえますか』(雲母書房)
『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』(クリエイツかもがわ)
『認知症を乗り越えて生きる』(クリエイツかもがわ)
『なにか、わたしにできることは?』(西村書店)
『虹色のコーラス』(西村書店)
『ありがとう 愛を!』(中央法規出版)

『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)
『日日是幸日』(CLC)
『パーソンセンタードケア講座』(CLC)

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