INTERPRETATION

第35回 ソウルフル通訳

寺田 真理子

マリコがゆく

平井堅とわたしには共通点があります。さて、一体何でしょう?
わかりますか?「顔が濃い」なんて言わないでくださいね!
ちょっと難しいかしら?じゃあ、もう少しヒントを出しましょう。平井堅だけじゃなくて、鬼束ちひろとも、一青窈とも共通しています。
さあ、これでわかったでしょうか?

答えは・・・「手がよく動く」です。
鬼束ちひろや一青窈が歌っているときに、音の高さにあわせて手がかなり動いているのが気になったこと、ありませんか?平井堅の場合は、それに目元のしわまで使って音をとっている気がしてなりません。「高音を出すときには、やっぱりこのしわがないとダメなのかしら?」と考えながら見入ってしまいます。(決して平井堅が嫌いなわけじゃありませんよ!むしろ、かなり好きなほうですので、念のため。)

かくいうわたしも、通訳の途中でつい「手」が出てしまうことがよくあるんです。
あの・・・「手が出る」と言っても、「通訳をしていて、わけのわからないことをいう人がいたのでぶん殴った」とか、そんなことじゃありませんよ。

自分でも通訳をしながら気づくんですが、やたらと手が動いているんです。「手話か?」っていうくらいに。なにもミュージシャンのように音の高さをとっているわけじゃないんですが・・・。自分でも気になるので抑えようと思うものの、そうなると今度は気が散って通訳のパフォーマンスのほうに影響が出てしまいます。

「通訳に影響が出るよりは、手が動いているほうがまだきっとマシよね?」
というわけで、結局は放置します。

そういえば昔、通訳ブースの中でこぶしを振り上げて熱くなっている通訳者を見て、びっくりしたことがあります。スピーカーと一体となっている、というよりスピーカーよりも盛り上がっていました。
言葉だけじゃなく、スピーカーの熱い思いを伝えようとするから、つい身振り手振りに熱が入っちゃうんですよね!・・・ということにしておきましょう。

わたしが通訳していても、手元に注目するのはやめてくださいね!めちゃくちゃやりにくいですから・・・。

Written by

記事を書いた人

寺田 真理子

日本読書療法学会会長
パーソンセンタードケア研究会講師
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー

長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。
多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演、執筆、翻訳活動。
出版翻訳家として認知症ケアの分野を中心に英語の専門書を多数出版するほか、スペイン語では絵本と小説も手がけている。日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。
ブログ:https://ameblo.jp/teradamariko/


『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア入門』(Bricolage)
『介護職のための実践!パーソンセンタードケア~認知症ケアの参考書』(筒井書房)
『リーダーのためのパーソンセンタードケア~認知症介護のチームづくり』(CLC)
『私の声が聞こえますか』(雲母書房)
『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』(クリエイツかもがわ)
『認知症を乗り越えて生きる』(クリエイツかもがわ)
『なにか、わたしにできることは?』(西村書店)
『虹色のコーラス』(西村書店)
『ありがとう 愛を!』(中央法規出版)

『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)
『日日是幸日』(CLC)
『パーソンセンタードケア講座』(CLC)

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