INTERPRETATION

第40回 通訳、TOEICに挑戦!-前編-

寺田 真理子

マリコがゆく

「その通訳さんは、TOEICだと何点くらいなんですか?」

コーディネーターとして通訳者を派遣していたころ、お客さまからよくこんな質問を受けました。

「通訳者のスキルはTOEICで測れるものじゃないし、TOEICでいくら点数がよくても、それは通訳としては初歩に過ぎないんですよ」などと説明しても、なかなか納得してもらえなくて苦労しました。

まさか、「ほら、『ドラゴンボール』で『スカウター』ってあるでしょ?相手の強さ見るやつ。めっちゃ強くてスカウターで測りきれなくなると、『ボン!!』って爆発しちゃうじゃん!?あんな感じよー」とも言えないですし・・・。

実際、通訳者を判断する基準としては通訳歴を見るんですよね。どういう分野で、どんな通訳をしてきたのか。それに加えて、エージェントに登録するときには実際に通訳テストを受けて判断されるので、資格が問題になることはまずありません。

でも、これはあくまでも通訳者を使い慣れているエージェントの話。通訳に縁のない人にとっては、確かにわかりづらいところ。TOEICという絶対的なものさしが頭にあって、それでしか測れないのも仕方ないことかもしれません。

かくいうわたしは、TOEICって、2年ほど前まで受けたことがありませんでした。通訳を始めた当時、まだどちらかというと英検がメジャーで、TOEICはいわば「新参者」。「英検1級持ってるし、いまさらTOEICなんて受けることもないだろう」という感覚だったのです。受けてヘンな点数とったら、かっこ悪いですし。(後者が重要です!)
ところが、いつの間にやら英検はすっかり押しやられ、TOEICが王道に。

「一般の人にTOEICというものさししかないなら、そのものさしでわかるように示してあげるほうが親切だよね」・・・なんていうのは建前で、どんなものか受けてみたかったわたしです。だって、ネタとして面白そうでしょ?(すいません、そんな基準で生きてます!)

でも、いくら初挑戦といっても、通訳という立場上、あまりにお粗末な点数をとるわけにいかないですよね。というわけで、どんな問題が出るかも知らないわたしは、まず問題集を買うところから始めたのでした。

Written by

記事を書いた人

寺田 真理子

日本読書療法学会会長
パーソンセンタードケア研究会講師
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー

長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。
多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演、執筆、翻訳活動。
出版翻訳家として認知症ケアの分野を中心に英語の専門書を多数出版するほか、スペイン語では絵本と小説も手がけている。日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。
ブログ:https://ameblo.jp/teradamariko/


『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア入門』(Bricolage)
『介護職のための実践!パーソンセンタードケア~認知症ケアの参考書』(筒井書房)
『リーダーのためのパーソンセンタードケア~認知症介護のチームづくり』(CLC)
『私の声が聞こえますか』(雲母書房)
『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』(クリエイツかもがわ)
『認知症を乗り越えて生きる』(クリエイツかもがわ)
『なにか、わたしにできることは?』(西村書店)
『虹色のコーラス』(西村書店)
『ありがとう 愛を!』(中央法規出版)

『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)
『日日是幸日』(CLC)
『パーソンセンタードケア講座』(CLC)

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