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21世紀の通訳 -Interpreting in the 21st Century-

第52回 国際とグローバル

日本ではここしばらく、グローバル化とかグローバル人材という表現がよく使われています。今はグローバル社会だと言われていますが、これは国際社会とはどう違うのでしょうか。

国際は英語ではinternationalなので、国と国のあいだ、という意味です。なので、私は2つの国のあいだというイメージを持っています。私は二十歳のときに初めて渡米をし、2週間のホームステイを体験しましたが、そのときは事前にアメリカのことを少し学んでから行きました。簡単なことですが、握手をするときには手をしっかりと握るほうが好ましいとか、必要なことがあれば自分からきちんと言う必要がある、というようなことです。

また、ホスト側のほうもある程度日本のことを学んで、受け入れ態勢を整えている感じを受けました。日本人は時間をきちんと守るから、スケジュール調整を密にやっておこうとか、喉が乾いたりしていてもなかなか言わないから、こまめに質問してあげよう、などと気を遣ってくれていました。

このように2カ国間のコミュニケーションであれば、お互いがお互いに合わせるかたちで、コミュニケーションが円滑に進むように心がけることができます。

それに対して、グローバル環境においては、様々な国の人々が一緒くたになって研究や仕事をするので、こちらを立てればあちらが立たずで、どうしてもコミュニケーションがある程度煩雑になってしまうのだと思います。グローバル化はアメリカ化だという声もありますが、私はどちらかというと、グローバル化というのは色々な国や文化の人が一緒くたになって何かをすることで、グローバルコミュケーションとは言いたいことを絞って、文化を共有していなくてもわかるかたちで言葉によってコミュニケーションをとることだと思います。

通訳でいうと、逐次通訳と同時通訳のようなものではないかと思い立ちました。逐次通訳は時間が2倍かかりますが、コミュニケーションはより正確なものになります。2カ国、2つの言語であればこれは十分可能だと思います。それに対して、同時通訳の利点は、伝達される情報の正確性は落ちるものの、時間を節約することができます。3カ国や4カ国語のコミュニケーションを逐次通訳でやっていては、時間がいくらあっても足りませんから、必然的に同時通訳を使うことになります。


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プロフィール

佐藤 祐大

佐藤 祐大さん
日英会議通訳者。熊本大学英文科卒。 公益財団法人日本英語検定協会に4年半務めたのち、ロンドンメトロポリタン大学に留学し、会議通訳の修士号を取得。 製薬会社、経営コンサル会社での社内通訳者を経て、2016年7月より現職。