INTERPRETATION

第188回 「最後の最後まで」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

down to the wire (最後の最後まで)

Don’t give up if you really like her. Keep trying right down to the wire. (彼女が好きなんだったら諦めたらダメだよ。最後の最後までトライしてごらん。)

英語で「最後の最後まで」をdown to the wireと言います。スポーツ用語でも使われ、go down to the wireは「デッドヒートを繰り広げる、最後まで大接戦が続く」です。

down to the wireが誕生したのは20世紀に入ってからでした。競馬の世界から生まれた表現です。競馬ではかつて勝敗を断定する際、ゴールの上に設置された針金を用いていました。針金を超えた順番で順位を決めていたのです。

なお、「針金」のwireの場合、数え方はa piece of wireです。wireには他にも「電話線、電報」などの意味があります。一方、wiretapは「盗聴」、get wires crossedは「誤解する」、under the wireは「かろうじて間に合って」です。

ところで子どもの頃、家の近所に有刺鉄線がありました。英語ではbarbed wireです。当時、私や友人たちは「有刺鉄線」ではなく「バラ線」と言っていました。バラ線の語源は「イバラのとげ」だそうです。子ども時代、バラ線で服をひっかけたりすりむいたりと、何かとマイナーな傷が絶えない時期が続きました。懐かしく思い出しています。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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