INTERPRETATION

第220回 「遠回しに言う」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

beat around the bush (遠回しに言う)
 When you are writing your resignation letter, don’t beat around the bush. (辞表を描くときは、遠回しに言ってはいけません。)

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「遠回しに言う」を英語でbeat around the bushと言います。上記の例文にもある通り、通常は否定の命令形で使われます。beatは「叩く」、bushは「茂み」のこと。かつては狩猟をする際、茂みの下にいる獲物を棒で突きながらとらえていました。しかし、これは時間がかかり過ぎて非効率、というのがこのフレーズの源です。今では略式表現として「遠回しに言う」という意味で使われています。

英語を勉強する際、みなさんは辞書をどこまで読みますか?急いでいる場合、一番探している語義が分かれば大丈夫。でも少し時間があるときは、ぜひすべての意味や例文にも目を通してみてください。「ジーニアス英和大辞典」でこのフレーズを引いたところ、反対表現としてcome to the point(単刀直入に話す)が紹介されていました。こうして「ついでに」調べて、「ついでに」音読しておけば、一石二鳥でトレーニングになります。

ところでbushという単語で私がつい思い出すのが、イギリスの歌手Kate Bush(ケイト・ブッシュ)。1978年リリースの「嵐が丘」は日本でもヒットしています。しかも今なお現役で、2013年には大英帝国勲章も受賞するという実力派シンガーです。独特の声は一度聞けば忘れないほどのインパクトがあります。というわけで、今日の締めくくりはこのPVをどうぞ:
https://www.youtube.com/watch?v=-1pMMIe4hb4

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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