INTERPRETATION

第149回 「難しい選択」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

tough call (難しい選択)

It was a tough call, but in the end, I chose what I wanted to do.

難しい選択でしたが、最終的にはやりたいことを選びました。)

今回ご紹介するtough callは「難しい選択、困難な決定」という意味です。callは中学校で学ぶ基本単語ですが、辞書を引いてみると実にたくさんの語義があることがわかります。手元にある「ジーニアス英和辞典」(紙版)でcallを引き、読み進めてみると、名詞のかなり下の方に略式表現として「決心、決定」という意味が出ていました。make a call(決定する)、It’s your call(それは君が決めることだよ)、It’s anybody’s call(はっきりしたことを言うのは難しいね)などといった表現があるのですね。tough call自体は主にアメリカでよく使われるようです。

ところでtoughの原義は「折れにくい」という意味です。toughには「難しい」「厳しい」「(肉体的に)頑丈な」などのほかに、「(肉などが)固い」という意味もあります。This steak is too tough(このステーキは固すぎる)という具合です。一方、tough-loveは「愛のむち」、a tough part of town(街の物騒な地区)など、多様な意味があることもわかります。

こうして既知の単語も改めて辞書を引くと色々と発見がありますよね。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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