INTERPRETATION

第48回 「無駄口をきかない」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

save one’s breath 無駄口をきかない、黙っている

I thought it would be better to say nothing so I saved my breath.

何も言わない方が良いと思ったので、黙っていました

 今回ご紹介するのはsave one’s breath(無駄口をきかない、黙っている)というフレーズです。もともとは「呼吸をセーブする」という状況を描いたもので、それが転じて「呼吸を無駄にしない=話しても無駄なので黙っている」という意味になりました。keep one’s mouth shutも同じ意味ですので、上記の例文は… so I kept my mouth shutと言い換えることもできます。

 「無駄口をきく人」はtattler、また、イギリス英語では「無駄口をたたく」をwaffleと表現します。waffleは食べ物のワッフルと同じつづりですが、「無駄口をたたく」のwaffleはイギリス北部の方言waff(吠える)から来ているそうです。

 なお、breathを使った表現は色々あります。take a deep breath(深呼吸する)、hold one’s breath(息を止める)、be out of breath(息を切らす)in one breath(一気に)などです。ちなみにアルコール検知のための「酒気検査」はイギリス英語でbreath test、アメリカではbreathalyzer testと言います。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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