INTERPRETATION

第97回 「決定的証拠」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

smoking gun 決定的証拠

This e-mail can be the smoking gun for the prosecutors to indict him.

このメールは検察側が彼を起訴する上で決定的証拠になるかもしれません。

 今年最後のこのコラムではsmoking gun(決定的証拠)という表現をご紹介しましょう。

 smoking gunは文字通り訳すと「煙が出ている銃」のことで、発砲直後に煙が上がっている様子を表します。そこから派生して「決定的証拠」という意味を持つようになりました。「私は撃っていない」と言っても銃口を見れば煙が残っていますので、それが証拠というわけです。

 この意味はどこから生まれたのでしょうか?グーグルでsmoking gun originとワンスペースを入れながら語源を調べてみるといくつかヒットしました。読んでみると出典はシャーロック・ホームズの「グロリア・スコット号事件」という1893年の作品なのだそうです。そこではsmoking pistolという単語が用いられています。シャーロック・ホームズと言えば、「ギリシャ語通訳」という作品も有名です。

 ちなみに通訳者が出てくる小説や映画というのは探してみるといくつかあります。新潮文庫から出ているジュンパ・ラヒリの短編集「停電の夜に」の中には「病気の通訳」という作品が収められています。他にも「ザ・インタープリター」という映画が数年前にヒットしましたね。10年ほど前にはNHKのドラマ「結婚のカタチ」で女優の藤原紀香さんが通訳者の主人公を演じています。

今年も残すところあとわずか。本コラムをお読みの皆様にとって、来年も幸せな一年となりますよう。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学・順天堂大学非常勤講師。 上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。 ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。 ESAC(イーザック)英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。

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