INTERPRETATION

第129回 「激しくなる」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

hot up 激しくなる

The debate between the presidential candidates are really hotting up .

(大統領選候補者たちの討論はどんどん激しくなっています。)

hot upは「激しくなる」という意味で、主にイギリスで使われる略式表現です。heat upと同じ意味で用いられます。辞書でhotを引くと「暑い、激しい、熱心な」という形容詞が冒頭に出てきますが、じっくりと辞書を読み進めると、動詞としてこの表現が紹介されているのです。なお、「激しくなる」以外には「火の勢いを強める、~を温める」という意味もあります。

今回私がこの表現に出会ったのはCNNのスポーツニュースでした。hotのような基礎単語にも動詞としての用法があったことに、改めて言葉の奥深さを感じます。一方、こうなると今度は反対語のcoldにも動詞用法があるのか気になるのですね。早速調べてみたところ、coldは「冷たい」などの形容詞、「寒さ」などの名詞、そして「完全に」という副詞のみが出ており、動詞としての用法はありませんでした。ちなみに「完全に」という意味でのcoldは主にアメリカで使われており、She learned her lines cold.(彼女はセリフを完全に覚えた)という例文が出ています。

ところでhotを調べた際、辞書のページをめくっているとhot-housing(幼児英才教育)、hothead(せっかちな人)、hot potato(難局)、hotair(でまかせ)などもありました。こうした新たな発見があるがゆえに、紙辞書遊びについつい興じてしまいます。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学・順天堂大学非常勤講師。 上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。 ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。 ESAC(イーザック)英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。

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