INTERPRETATION

第244回 「死んだふりをする」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

play possum (死んだふりをする) 
During our trip to the mountains, we saw a bear, so we played possum until he left.
(山に旅行した際クマを見かけたので、クマが去るまで死んだふりをしました。)

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今回ご紹介するplay possumは「死んだふりをする」という意味です。possum自体は「フクロネズミ」のことで、opossumとも言います。有袋類でネズミに似ており、攻撃されると死んだふりをするという特徴があります。ネットで検索してみると写真や動画があるのですが、ちょっと寄り目で可愛い表情をしているのですよね。

この表現はまさにポッサムの特徴をとらえて、それがそのまま使われるようになりました。一方、動物を使った他の表現ではrain cats and dogs(雨が激しく降る)、elephant in the room (あえて話題にしない重要な問題)、as poor as a church mouse(極貧の)などがあります。興味深いですよね。

ところでずいぶん前に西オーストラリア州のパースへ旅行に出かけたことがあります。そのとき、船に乗ってロットネスト島を訪ねました。パース近くでは波も穏やかだったのですが、沖に出るや一気に本格的な揺れとなりました。ロットネスト島は自然保護区に指定されており、島ならではの動植物が見られます。中でも印象に残っているのがquokka(クオッカ)という有袋動物。日本では埼玉県東松山市にある「埼玉県こども動物自然公園」で鑑賞できます。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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