INTERPRETATION

第245回 「邪魔をする、妨害する」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

throw a wrench (妨害する、邪魔をする) 
Our competitor could throw a wrench in our new marketing plan.
(ライバル会社は私たちの新規マーケティング計画を妨害するかもしれません。)

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アメリカの口語表現で「妨害する、邪魔をする」をthrow a wrenchと言います。wrenchは工具のレンチのことですよね。たとえば工場などの現場で誰かがレンチを投げ入れれば、生産はできなくなります。つまりそれが妨害にあたる、というわけです。そこから生まれたフレーズです。

ちなみに「モンキーレンチ」は英語でmonkey wrenchですが、なぜ「サル」なのでしょうか?調べたところ、諸説あるそうです。「工具の頭部がサルの形に似ていた」という説もあれば、工具を発明したのがCharles Moncky氏であったという説も見受けられます。

ところで今から10年ほど前、ブロードキャスターのピーター・バラカン氏が「猿はマンキ お金はマニ 日本人のための英語発音ルール」という本を出しておられます。私自身、今やカタカナとして通用している「ビバレッジ」「アワード」などにも、ついついツッコミを入れたくなります・・・。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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