INTERPRETATION

第213回 「わくわくする」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

The fans were licking their lips in anticipation. (ファンは期待でわくわくしていました。)

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文字通りlick one’s lipsを訳せば「舌なめずりする」ということです。この表現にはそれ以外にも語義があり、「楽しいことを予測してわくわくする、心を躍らせる」という様子を表します。なお、唇(lip)が上下にあることから、ここでは複数形のlipsになっていることがわかります。なお、smack one’s lipsやlick one’s chopsも同義です。

ところでテレビや映画の吹替えにlip syncという用語があります。これはオリジナル映像と吹替えの声において口の形が一致することです。辞書には「音声同期」という訳語もあります。私が子どもの頃、テレビで放送された洋画といえば、その多くが吹替え版でした。今のようにリモコンで二か国語切り替えなどない時代だったのです。その際、口の形が日本語ともぴったり合っており、子ども心に「すごい~~、このアメリカの俳優さん、日本語話してる!」と思ったほどでした。懐かしい思い出です。

なお、lickには「なめる」以外に口語表現として「打ち負かす、勝つ、問題を片付ける」といった意味もあります。たとえばlick one’s opponent(相手をやっつける)、have the problem licked(問題を解決する)といった具合です。

この原稿を執筆するにあたり、紙辞書でlickを引くと次の見出し語はlickerish。こちらは「美食を好む」という意味でした。初耳!

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学非常勤講師。 上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。 ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。 ESAC(イーザック)英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。

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