INTERPRETATION

第242回 「心配のもと」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

albatross (心配のもと)
 The inheritance issue has become an albatross for her family.  (相続問題は、彼女一家にとって心配のもととなりました。)

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「心配のもと」を英語でalbatrossと言います。「あれ?確か鳥の名前では?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。そう、「アホウドリ」のことなのですね。アホウドリは南太平洋に生息する鳥で、日本語では「阿房鳥」「信天翁」と書きます。

ではなぜalbatrossが「心配のもと」になったのでしょうか?研究社「新英和大辞典」によると、18世紀のイギリス詩人、サミュエル・コールリッジの”The Rime of the Ancient Mariner(老水夫の歌)”に出てくるアホウドリが大元だそうです。この詩は老水夫がアホウドリを殺し、呪いを受けるというストーリーです。

albatrossを使った用例は他にもan albatross around one’s neck(常に付きまとう悩みの種、重荷)、an albatross of debt(妨げになる借金)などがあります。一方、albatrossの語義には「アルバトロス」という繊維の種類や、ゴルフの「アルバトロス」(規定打数より3打少ない打数でホールアウトすること)なども辞書に出ています。

なお、albatrossの語源はポルトガル語のalcatraz(ペリカン)だそうです。アルカトラズと言えば、カリフォルニア州に島がありますよね。そちらはかつて連邦刑務所がありました。1979年に公開されたクリント・イーストウッド主演の映画「アルカトラズからの脱出」では、決して脱獄できないと言われた刑務所から脱獄した人物の実話が描かれています。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学非常勤講師。 上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。 ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。 ESAC(イーザック)英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。

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