INTERPRETATION

第183回 「前言を取り消す」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

eat one’s words(前言を取り消す)

After receiving criticisms, he ate his words and changed the statement. (批判を受けた後、彼は前言を取り消し、声明文を変えました。)

「前言を取り消す」は英語でeat one’s wordsと言います。文字通り訳せば「言葉を食べる」ですので、それなりの雰囲気が出ている表現です。

最近このフレーズが出てきたのは、米ロ首脳会談後のことでした。「ロシアが2016年の選挙に介入したとは思えない」とトランプ大統領は記者会見で述べたものの、アメリカ国内で猛反発が起き、前言を撤回したのです。

ちなみに「前言を取り消す」は他にも言い回しがあります。retract a statement、withdraw one’s statementなどはオーソドックスです。一方、eat humble pie(自分の非を認めて平謝りに謝る)、pull in one’s horns(前言を取り消す)などもあります。

ところでwordはラテン語のverbum(言葉)から来ており、ドイツ語のWortも同じ語源です。wordには「言葉」の他に「うわさ、約束、スローガン」などの意味もあります。大文字のthe Wordは「聖書、神の言葉」です。6月に行われたサッカー・ワールドカップのニュースではhave the last wordというフレーズも出てきました。これは「決勝点をあげる」です。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学・順天堂大学非常勤講師。 上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。 ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。 ESAC(イーザック)英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。

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