INTERPRETATION

第69回 「えり好みする」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

cherry-pick えり好みする

We should take over the whole company. We cannot cherry-pick its best assets.

その会社全体を買収すべきですよ。先方の一番儲かっている資産だけをえり好みすることはできません。

 cherry-pickは最近出てきた単語で、ランダムハウス英和大辞典によれば初出は1972年だそうです。辞書を引いた際には、その単語がいつお目見えしたかが語義の下の方に書かれていますので、ぜひチェックしてみましょう。さらに詳しい背景はグーグルで検索すると色々ヒットします。意味は「えり好みする、自分の都合が良いものを選び出す」です。ちなみに-pickを使う単語では他にnitpickがあります。こちらは間にハイフンが入りません。意味は「あらさがしをする、小さいことにくよくよする」という意味です。nitは「しらみ」のことです。

 私は新しい単語に出会うと、「これに似た表現はないだろうか?」と探すようにしています。たとえば今回の単語であればcherryという果物を使っていますよね。「ではappleは?pearは?」という具合に、思いつく果物を片端から辞書で引き、元の語とは異なる表現を調べてみるのです。早速辞書をめくったところ、apple-polish(ごまをする)、banana peel(公職にある人の失敗、つまずき)、melon(もうけを山分けする)などがありました。なお、この作業中、英英辞典でavocadoを引いたところ、a pear-shaped fruitとありました。アボカドは果物だったのですね。スーパーでは野菜売り場に置いてあるので、野菜だと思い込んでいました。こうした新たな発見があるからこそ、語学の学びは楽しいのでしょうね。 

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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