INTERPRETATION

第248回 「どうにか生きていく」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

keep body and soul together どうにか生きていく
He found it so difficult to keep body and soul together.  (彼はどうにか生きていくだけで精いっぱいでした)。

******

「どうにか生きていく、その日その日をしのいでいる」を英語でkeep body and soul togetherと言います。文字通り訳せば「体と魂を一緒にする」となりますが、慣用句の場合、「どうにか生きていく」「何とか食べている」という意味になるのですね。この世からいなくなってしまうと、魂と肉体は離れてしまいます。それを防ぐためには魂を肉体に付けておかねばなりません。そうした意味から「どうにか生きていく」という語義になりました。

なお、body and soul自体は「肉体と精神」とも訳せます。give body and soul to … は「~に身も心もゆだねる」です。一方、”I love you body and soul”は「心から愛しています」ということです。

ところで「魂」には英語でsoulとspiritの二つがあります。soulは「肉体(body)」に対しての「魂」のことです。一方、spiritは「体を超えた次元において活動する精神」というニュアンスがあります。spiritを使った語ではthe Holy Spirit(聖霊)、an evil spirit (悪霊)などがおなじみですよね。

ちなみにsoulと同じ発音の語と言えば、韓国の首都Seoul(ソウル)がありますよね。「ソウル」は元々「首都、都」という意味があるのだそうです。

Written by

記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

END